斉藤徹さん「BEソーシャル!」出版記念講演 11月22日に新宿にて開催。

昨年佐藤尚之さんの講演と共に行われた、斉藤徹さんの「ソーシャルシフト」出版記念講演
これからは「口説く」から「愛される」時代へ…「明日のコミュケーション」×「ソーシャルシフト」

あれから一年、今年新たに「BE ソーシャル! ―社員と顧客に愛される5つのシフト」を出版される斉藤徹さんの記念講演が、東京では11月22日(木)新宿にて開催されます。
昨年のきっかけがあり、私も今回少しだけ講演の運営の方に関わらせていただいたので、今回の投稿をさせていただきます。

BE SOCIAL!社員と顧客を幸せにする、5つのシフト

近江商人には「三方よし」という理念があります。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」という、売り手がモノを売って利益を得て、買い手も購入したモノで満足し、それで地域社会全体が幸せになるという理念です。

あなたが売り手だったとします。
買い手を満足させたとしても、あなた自身と企業が無理して大変な事態に陥っていませんか?

あながた買い手だったとします。
自分自身満足するサービスを受けたとしても、それは売り手の企業や社員の無理から生じたサービスかもしれません。

誰かの不幸の上に成り立つサービスで誰かが幸せになっても、それは地域社会全体の幸せにつながるでしょうか?

このように「売り手よし、買い手よし、世間よし」という理念を体現する事は本当に難しい事です。

現在、ソーシャルメディアを通じて世の中の人々が密接につながるようになりました。
企業の不祥事や買い手を欺く行為は可視化され、たくさんの人々の耳に届くこともしばしばニュースになります。
そんなソーシャルな時代だからこそ、企業や社員がどうあるべきかという事も、これから重要になってくる事と思われます。

22日には、斉藤徹さんの他、株式会社カスミ代表取締役会長 小濵裕正さん、ライフネット生命保険株式会社代表取締役社長 出口治明さんも登壇され、これからの企業がどうあるべきかについて、貴重なお話を聴ける日になるのではないかと思います。

当日の詳細と参加方法については下記のurlをご覧ください。
【特別記念講演会】斉藤徹の新著『BEソーシャル!』出版記念講演&初コラボトークセッション

また、下記のurlにはスライドも公開されているので、参加される際の予習としてご覧いただければと思います。
東京では今回の講演の他13日に「助けあいジャパン・チャリティセミナー」も開催。その他さまざまな地域での講演も決まっていますので、今回ご都合の合わない方はその他のスケジュールをご参照ください。

新作「BEソーシャル!」講演スライドを公開します。

「DOソーシャル」から「BEソーシャル」へ
11月22日、それがどのように語られるのか楽しみです。


BE ソーシャル! ―社員と顧客に愛される5つのシフト


これからは「口説く」から「愛される」時代へ…「明日のコミュケーション」×「ソーシャルシフト」

今月出版される斉藤徹さん著「BEソーシャル!」
昨年出版された「ソーシャルシフト」の続編となります。
昨年の講演会には参加していて、サマリーはまとめていたのですがブログに公開していなかった事もあり、復習という意味でも読み返してみました。

2011年11月9日(水)
「明日のコミュケーション」佐藤尚之さん ×「ソーシャルシフト」斉藤徹さん出版記念講演会

■明日のコミュニケーション「関与する生活者」に愛される方法
広告キャンペーン・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター 佐藤尚之

◆情報の伝わり方の変化。

「お茶の間プラットフォーム」
昭和は、TVのあるお茶の間にみんなが集まり、発信者→受信者へのトップダウンに情報が伝わり、全世代が同じ情報に触れる。

「個別プラットフォーム」
その後、性、世代でバラバラに孤立化。家族が同じ情報を共有することはなくなっていった。広告冬の時代。

「ソーシャルプラットフォーム」
生活者が勝手につながり、情報の伝播が大きく変わった。すべての受信者が発信者に変わった。
ネット以前の口コミは1 to 1の対面式。ブログ時代の口コミは1 to many。
ソーシャルグラフ時代の口コミはハイパークチコミ。many to many。すべてのソーシャルグラフに無自覚に情報が広がる。

つながりが情報を動かす。どうプラットフォームに情報を流すか?を考えるべき。

◆AIDMA、AISASからSIPSへ。

Sympathize(共感する)、Identify(確認する)、Participate(参加する)、Share&Spread(共有、拡散する)。
情報を伝えるだけでも、自分のソーシャルグラフ上で購買が生まれることもある。必ずしも自分が購買をする必要がない。

一番重要なのは、情報伝播の主導権が「送り手」から「生活者」に移ったということ。

昔は、広告でまず認知を取るのが大切だった。主導権は企業にあり、入り口をいかに大きくするかがキャンペーン成功の鍵だった。
ソーシャルメディアでは逆。入り口は小さくても、出口に向かって人の繋がりが広がっていく。
RTやいいね!で広がっていくから。この場合、主導権は受け手にある。

今までは認知を増やすためにお金をかける。 → 今は伝播を広げるためにお金をかける。

◆マスメディアからマンメディアへ
マンメディアの特徴…主体は生活者。情報やその広がり方もコントロール不可能。一人一人の感情の動きが大切。通貨価値は「共感」。

1.情報を積極的に友人に広めてくれるエバンジェリストを味方につけること。
ゆるい参加者→ファン→ロイヤルカスタマー→エバンジェリストにどうやって育て上げていくか。

100万人の新規顧客に薄く伝えるより、100人のエバンジェリストを大切にする。

2.すべての共感となる発信部分を大切にする。何を言うかより、誰が言うかの方が重要。
マスメディアが無くなるわけではないが、マンメディアの影響力が大きくなる。
これからは、「口説く」から「愛される」時代に変わっていく。

ソーシャルメディアを闇雲に礼賛するつもりはない。でも僕達にとって大きなチャンスを迎えている。性、世代、国境等…いままであったいろんな壁がなくなっていく。
詳しくは

明日のコミュニケーション「関与する生活者」に愛される方法
佐藤尚之著

 

■ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと
ループス・コミュニケーションズ / Looops CEO 斉藤徹

◆企業がソーシャルメディアとうまくつきあう

ソーシャルシフト企業と生活者の新しいコミュニケーションのかたち。
人そのものがメディア。信頼関係で繋がった人そのものがメディアとなる。
→これからのサービスで大切なのは、「誠実で真摯な対話姿勢」

Facebookユーザーは8億人。来年は10億を超えるだろう。Facebook上の「一人あたりの情報共有量」が年2倍で増加。シェアの文化が人々に根づき始めている。
これを「シェアの法則」と言う。「ムーアの法則」が情報産業を大きく牽引してきたように、指数関数的な増加は、市場にパラダイムシフトをもたらす。
トラフィック流入は、検索よりもソーシャルメディアにシフトしている。

グーグルは意識が顕在化しないと機能をしないが、Facebookやtwitterは違う。
世界のメジャーなニュースサイトなどは、ソーシャルメディアからの流入の方が多くなっている。

サーチからディスカバリーの時代へ。アルゴリズムから人へ。友人を介して情報が伝わる時代へ。

◆ソーシャルフィルタリング

今僕たちは大変な情報過多に悩まされている。本当に欲しい情報がとれなくなってきている。
それを解決するのがshare。これからの情報産業を牽引するものになる。

一人ひとり異なる内容で友人が編集した情報が届く。しかも共感とか反感とか感情が付与されているもの。=ソーシャルフィルタリング。
情報流通の可否を発信者ではなく、中継者が決める時代に。

企業にクチコミの制御は不可能になった。
会社がソーシャルメディアを使おうが使うまいが、すでにソーシャルメディア上に情報が溢れている。

クチコミを直視する。

お客様が喜ぶと世界中に伝わり、怒るとそれも広がっていく。

大資本を持つ企業vs共感をまとう無名の人
ユナイテッド航空に大切なギターを壊されて、1年間たらいまわしにされ、弁償は結局なかった無名のミュージシャン。
大企業相手に、何があったかミュージックビデオを作成し、YouTubeにアップ。
1000万回視聴され、キャロルさんは有名に。ユナイテッドの株価は、3週間で10% 1.8億ドル下落した。

共感が暴力、富、知識に匹敵する力の源泉となった。

ソフトバンクは、ツイートから拾ってサマリーを1日2回共有している事例。
ソーシャルメディアはサイレントマジョリティの声を聞ける。埋もれてしまうような顧客の声を積極的に拾えるようになった。
わざわざコールセンターに電話しないような内容もソーシャルメディアにならある。

◆ロングエンゲージメント

一時的なペイドバズはやめて、顧客を正しく理解し、継続的に商品、サービスを改善する。
企業と消費者は一時的な関係ではなくずっと続く。人間関係と同じ。

検討→評価→購入→享受→支持→きずな→はじめに戻る。
このロイヤリティループが構築されると、検討と評価がショートカットされる。例えばAppleの商品。

ちなみに斉藤さんのロイヤリティループはApple、レディーガガ、踊る大捜査線。

日本の得意分野は誰に対しても均一で高いクオリティ。その場合満足まではいくが、感動まではいかない。

顧客のとの濃い関係性、ヒューマン的な要素や、サービスのカスタマイズが出来ると感動を生む。おもてなしの心でサービスすると感動が共感を生む。
それをやっているのがザッポス。

ロングエンゲージメントを構築するには
1.真摯に耳を傾け、対話する。
2.Wow体験の想像。
3.ユーザーの交流を促進する。
4.企業哲学、顧客との約束を貫く。

ただし、本当に大切なのは、ネットであろうが、リアルであろうが、愛されて共感される会社やブランドである事。
Appleは対話は全然しない。ソーシャルメディアを使うかどうかは本質ではない。

エバンジェリストになった生活者はバリューチェーンに参加し、サービスを作る、売るのに協力してくれる。
例えばFacebookの各国言語対応はボランテア。

透明性の時代のリスク管理。例えば九州電力のやらせメール。今までの企業の広報の「情報はコントロールできる」という思い上がり。

「企業よ、ソーシャルシフトせよ」
単にソーシャルメディアを活用する、ではなく、全ての顧客接点で統一したブランド体験を提供すること。

詳しくは

ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと
斉藤徹著

さとなおさんの「明日のコミュニケーション」での「これからは「口説く」から「愛される」時代に変わっていく。」が印象的な講演会でした。
これから斉藤徹さん「BEソーシャル!」出版に向けて、改めて「ソーシャルシフト」を読み返してみます。